交番鍵破壊日記
こんにちは。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
外出規制もあり、行くはずであった職場や学校に行けない方も多いと思います。
もしかしたらそこの最寄り駅に自転車を置いており、利用していないのに毎月消えていく駐輪場代に不条理感を覚えた人もいるかもしれません。
さらにそこに置いてる自転車の鍵、皆さんどういうやつですか?
自転車に元から付属して一般的な鍵のやつ?あーそれが一番偉い。ナイスチョイス!森永のチョイスのクッキーあげるよ!
そこのあなたは?うんうん、え?安い自転車買ったから元々鍵がついて無くて「鍵は無くすしなぁ」という考えから輪っかのダイヤル式の鍵にした?しかもセキュリティの観点からまぁまぁ高価なやつ買った??
一応聞くけどさぁ、乗らない時間増えた今、その鍵の番号覚えてる?
A. 忘れました。
どうすんだよこれ。
人は3年間使った4桁の番号すら忘れる生き物である。紙に控えろ。
ーアンドラゴラス・ スロウトル
久々に大学の図書館でも行くか!と思い駐輪場に着いたらこのザマです。
駐輪場に着いた途端、意気揚々とバイト先のロッカーの4桁の番号に合わせてしまい、なんとなく過去の自分のダイヤル回し加減から番号を推測することも出来なくなってしまいました。
結果を言うと、2時間程鍵と戦い、最終的には輪っかのダイヤル錠を切りました。
その過程である私vsダイヤル錠のタイマンバトルをご覧に入れましょう。
一戦目「ダイヤル引っ張り開け」
しばらくは海馬の隙間に挟まった4桁の番号を思い出そうとしたり、「3年もダイヤル回してんだから手が覚えてたりすんだろ!」と思い、ガチャガチャダイヤル錠を回すなど(職人の手仕事)をしていたのですが、合いませんでした。
もしかしたらダイヤル錠の方が番号を忘れちゃったのかもしれませんね♪
そこで知恵の女神インターネットで検索して出てきたのが「ダイヤル引っ張り開け」です。
簡単に説明するとダイヤル錠を引っ張りながら、端のダイヤルをゆっくり回すと正解の番号にセットされた時に鍵が抜けるような感覚があります。
それを4つの番号全てで行うと解錠できるという仕組みです。
インターネットの猛者は鍵が1つセットされた瞬間のことを「他とは感覚が違う」と言っており、「かっけ・・・」と思いました。
この方法を試しましたが、なまじ良い鍵を買ってしまったため「他とは感覚が違う」が全く分かりませんでした。へへ!自慢の鍵だぜ!
あとこの作業をしている時の体勢が教科書的な自転車泥棒なので前に交番があるということもあり、長時間の解錠作業は社会的に危険でした。
あとこれとは別に「9999から下っていって順番に探す」というものもありましたが9976辺りで諦めました。無理です。
二戦目「業者を呼ぶ」
いわゆる「鍵の110番」的な鍵をあける専門出張会社に電話し、見積もりを取ってもらうことにしました。
業者「大体出張費用と合わせると1万円超えますね。」
いや、新しい自転車買えるな。お断りしました。
三戦目「帰る」
なんかもう嫌になっちゃったなぁ。どうするにも金がかかるし、具体的な解決策はない。今は混乱してるから番号分からないだけで突然夢から覚めたみたいに思い出すかもしれないしな。ほらもしかしたら家に番号書いた紙を過去の自分が残してる可能性もあるよな!駐輪場でずっとウロウロしてても鍵が開くわけではないしバイトの時間もある。昼ご飯も食べてない。・・・あ、私卒論書くために図書館行くつもりだった。いや今はペンより剣でしょ。剣でダイヤル錠切ってくれよ・・・。
よし、とりあえず帰るか。
そう決断した瞬間、ジリジリと照り返していた太陽は初夏の麗かな日差しに変わり、涼しい風が、駐輪場の中を通り抜けた。夏が近い。
「鍵が開かないプレッシャー」から解放されたら人の心はこんなに軽やかになるのですね。
帰路につく切符を購入し、電車を待っている間、「自転車の鍵開かない人のレポ漫画ないかな~」と当事者意識を放棄し、楽しくインターネットサーフィンしていました(私はレポ漫画が大好き)。
電車に乗り込んでしばらくしてから、ふと1つのサイトが目に留まりました。
交番で鍵を破壊してくれるのか!ん?交番なら・・・
前にあったやんけ。
あ~交番で鍵破壊してくれるのか。じゃあ次行く時に・・・。いや次まで待ってたらキョドって行けなくなる気がする。
引き返すか~~~~~笑
四戦目「交番での破壊」
乗車時間5分で電車を降りて反対側のホームに行き、自転車を置いている駅に引き返しました。
切符を発行した駅で下車することは基本的に出来ないので改札で駅員さんに謝り(迷惑1)、駐輪場へ。
自転車の後輪に輪っかのダイヤル錠がかかっているので、後輪さえ浮かせばミニサイクルなので移動は容易いんですよね。不格好な姿勢で交番に向かいました。
交番の引き戸を引き、とりあえずぼそぼそ喋ったら怪しがられるなと思ったので警察官全員に聞こえるよう元気いっぱいに尋ねました。
「あの自転車の鍵のチェーンって切ってもらえませんか?」
その時の警察官全員の「は?」という顔はしばらく忘れられないでしょう。おい、顔を見合わせてこの案件の担当決めを押しつけ合わないで下さい。お願いします。
「なぜ、ここへ?」という雰囲気になったので「ネットで切ってくれるって見て・・・」と言うと納得の雰囲気になり安心しました。
私はこの時、「○○で見て来ました!」と言うとテレビで紹介された飲食店に来店した時に言う台詞じゃんと思いました。
その後、総動員で鍵破壊に協力してくれました(迷惑2)。本当にありがとうございます。
破壊までのプロセスとしては
①鍵を破壊する理由を簡単に説明 ②自転車の防犯登録から身分の照会 ③破壊
以上の3点でした。
①に関しては「ダイヤル錠の番号が思い出せなくて・・・。」としか言っておらず、私が利用している交番最寄りの駐輪場は家から駅に行くために自転車を置いている人が多いため、「こいつはほぼ毎日使う自転車のダイヤル番号忘れたのか」と思われていたらアホすぎて嫌だなぁと思いました。
②は基本的に自分の身分証を持っていればいいのですが、私の場合、自転車を購入した場所が他府県であったため防犯登録の照会に時間が掛かりました(迷惑3)。
なのでもし、誰かからもらったとか自転車屋で防犯登録をした覚えがないぞという人は大胆な自転車泥棒だと思われるので交番で破壊してもらうのは諦めましょう。
③の破壊。地獄の鬼が罪人の舌を引っこ抜くやつを警察官が持ってきてくれ、チェーンをねじ切ってくれました。
破壊する前に、「本当にいいですか?」と聞かれたのでザコキャラみたいに「やっちゃってください!!!」と答えました。
破壊が終わった後はねじ切れたチェーンだったものを生身でリュックサックに詰め込み、警察官にお礼を言い、新しい自転車チェーンを買いに行きました。
皆さんは本当に気をつけて下さい。
警察官の方も言っていたのですが、そもそもチェーンをねじ切る道具は災害などで使用するためで決して自転車の鍵を切る道具ではないので本当に困った時にだけお願いしましょう(もちろん応じてくれない交番もあります)。
これは私の実体験としてのブログであり、交番でのチェーン破壊を推奨するものではありません。
新しく買ったやつは鍵式にしました。